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富山県長野県2県横断6泊7日の旅「来た道 行く道」
1日目(4月29日)「それでも花は咲き続ける」

ルート

JR大阪駅―(サンダーバード1号)―JR富山駅―(以下、富山県内交通手段は友人の自動車)―★山田の案山子(直売所)−◎清水そばそば峠―★第60回記念となみチューリップフェア―★富山県花総合センターエレガガーデン―△頼成の森―富山市街(オークスカナルパークホテル富山泊)

※凡例: ★入場・体験観光 △外観観光 ◎食事

写真など

サンダーバード1号 青いポートラム 山田の案山子
さすがに連休初日朝一列車のため、全席満席。しかしサンダーバード1号って、なんとなくロケットが発射されるシーンを思い出してしまうのは私だけ? また来ちゃいました富山駅。北陸新幹線開業に向けて大改装中。何年かして来たらまた全く変わってしまっているんだろうな。今日のポートラムは青。 ここからは友人の車でらくらく移動。砺波へ直行する予定が「山田村って、あの電脳村で有名だった山田村?」という会話から、車は山田村方面へ。
すいせんは自由に 清水そばそば峠 ざるそば大
直売所に立ち寄り。少なくともここでは電脳村だった雰囲気は感じられず。まあ、15年以上前の話だし、今やパソコンもインターネットも「日常」だし…。 ここから砺波方面へ抜ける途中にある「清水(しょうず)そばそば峠」。何にもないところに立っているものの、地元ではかなり有名らしく、次々と人と車がやってくる。 おそばは素朴な田舎そばというよりはかなり洗練されたさっぱりとしたお味。そして山菜のてんぷらも山盛りでとてもおいしかった。人気なのも納得。
60回記念 大花壇 まだまだつぼみ
そばを食べた後は一気に山を降り(?)、砺波チューリップ公園へ。となみチューリップフェアは第60回記念ということで、例年以上に大規模であったのだが…。 今年は冬が寒くて長く、露地植のチューリップにはまだ全く咲いていないものも。大花壇も品種によって全く咲いていないものが完全に分かってしまう状況。 間近で見ると一目瞭然。チューリップ祭りというよりはチューリップのつぼみ祭り。まあ、自然相手というのはなかなかうまくいかないものではありますな。
完成予想図 デコレーションパネル 茎ごと差し込む
ちなみに完成予想図はこんなかんじだったようで、特定の色だけが先に咲いてしまったり、あるいは色の区別がつかなかったりと、これはこれで面白くはある。 開花が遅れたことの影響で、チューリップで絵を描くデコレーションパネルの製作がここまでずれ込み。学生さんとか企業参加とか、日程調整が大変だっただろうな。 ちなみに、花びらをばらまいて絵を描くのではなく、茎ごと切った花をパネルに挿しこんでいく方法。ドット絵のような設計図を見ながらひたすら差し込んでいた。
チューリップ1 チューリップ2 チューリップ3
若干開花は遅れたものの、園内には十分に咲き誇った様々なチューリップが。中には「これがチューリップ?」と常識を崩すようなものも。多少ご紹介。 皇室献上のチューリップたち。富山の友人からもらい、今年神戸の自宅でも楽しませてもらった「黒部の太陽」も、どこか誇らしげに堂々と咲いている。 もう一つ頂いたのがこの「玉鬘(たまかずら)」。源氏物語の登場人物の一人で、田舎育ちでありながらも美しく聡明。そして運命に翻弄された女性だそう。なるほど。
チューリップ4 チューリップ5 チューリップ6
一見とてもチューリップとは思えないような品種も。確かに葉などを見ればチューリップには違いないのだが…。「エキゾチックバード」という品種。 これはガクありチューリップの「新拓」。富山生まれの新品種で、昔は高価だったとか。背丈も大きく、まるでバラのよう。孤高のチューリップ、と言った感じ。 昨年度発表された砺波産の新品種「春のあわゆき」。白色の八重咲き。静かだけどしっかりものというか。こうして絶え間なく新しい品種が生み出されていく。
愛知万博遺産 球根の巨大模型 シャルルドゴール空港
愛知万博トルコ館で使われていたチューリップの柄入りタイル。愛知万博の遺産は結構いろんなところにあり、まとめたページがあるが、砺波は載っていない…。 球根の段階からちゃんと花もおしべ・めしべも格納されているのだそう。長い長い冬を越えてやっと花咲くからこそ、あれだけの力強さがあるんだろうな、きっと。 ちなみに連休前には小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルも砺波に来ていたそうで、はやぶさをかたどったチューリップアートも。若干微妙だが。
エレガガーデン エレガガーデンのすいせん 頼成の森のしだれ桜
会場そばの富山県花総合センターエレガガーデンへ。第60回チューリップフェアを記念して、「未来の展望塔」がテーマ。ちょっと飛躍しすぎかも。 解説付きのチューリップも良かったが、水仙がまさに満開。ほとんど人もいない中、満開の水仙の花に囲まれつつ、午後の一時、ちょっとだけ豊かな時間。 富山市街へ戻る途中に発見した頼成の森入口のしだれ桜。車がどんどん通る国道沿い。人に見られても見られなくても、ちゃんと花は咲いている。


旅のメモから

 今回のとなみチューリップフェア、60回目の記念すべき回だったのですが、そもそもこのフェアが始まった理由というのは単なる観光振興ではなく、もっと違った理由があったのだそうです。
 戦時中、食物以外の生産を禁じられたことにより、なんとか家の軒先や田んぼの畦などで球根を守り、戦後になってようやく大々的に生産できると思った矢先、GHQがチューリップの栽培試験場を廃止しようとしている話が持ち上がりました。「絶対この火を消してはいけない。チューリップが満開になっている美しい姿を見せれば、絶対にGHQの将校たちも存続を理解してくれるに違いない」。ということで、「チューリップ祭り」ならぬ「チューリップフェア」が開催されたのだそうです。こうして試験場は残り、砺波は日本有数のチューリップ球根産地となり、今もチューリップフェアが続いているのです。
 人の手で大切に育てられた花も美しく、人がいようといないと咲く花もまた美しい。それは花が、花を見る人に何らかの感情を与えずにはいられないから。ネアンデルタール人が死者を弔うのに花を添えたというシャニダール遺跡の話は専門家的には若干疑問が残るそうですが、決して永遠に残ることのない花の美しさを知った時にヒトが生まれた、というのは直感として実によく分かるのです。
今日の泊まりは「オークスカナルパークホテル富山」(3連泊)


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