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全国中央駅めぐり・その7 (札幌市営地下鉄東豊線) −陸軍の歴史が残る住宅地の中央駅− いよいよ全国中央駅めぐりも北海道まで遠征。ということで、まずは、中央駅めぐりでは初となる地下鉄中央駅「月寒中央駅」を訪れてみました。札幌中心部から10分程度の住宅地、もともとは開拓地であった北海道なのであまり見るべきものはのないかと思いきや、なかなかに多彩な歴史を抱えていたのです。(2009年2月訪問、2009年3月掲載) | ![]() |
| 駅の所在地:北海道札幌市豊平区月寒中央通7丁目 | 駅周辺の基本情報(見える範囲で) | |||
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| デパート | スーパー | |||
| コンビニ | 郵便局 | |||
| バスターミナル | 待機タクシー | |||
| 食堂・レストラン | ファストフード | |||
| その他主な施設 | 駅構内にATM・コインロッカー | |||
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・注釈 駅真上の月寒中央通は国道36号であり、お店や銀行、交番、公民館、郵便局などが並んでいます。 ちなみに、Wikipediaでは駅構内に売店があることになっていますが、実際に行ったところありませんでした。無くなったようです。 ・おことわり 当該データはいそべさとしがふらっと駅前を歩いて、感覚で調べたものであり、正確さには大いに欠けます。ご了承ください。 |
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・中央駅を探訪:アンパン道路のある街の中央駅 月寒を調べ出した時、キーワードにあがってきた言葉は「あんぱん」。あんぱんって、何?有名な菓子パン屋でもあるの?頭の中に疑問符がいっぱいになりました。さらに調べたところ、この街には「アンパン道路」なる道路まであるそうです。これは中央駅最大級のネタになりそうな気がします。 ということで、中心部のさっぽろ駅から約10分で月寒中央駅に到着。札幌は日本第5位の190万都市、10分走ったぐらいではまだまだ都会。駅自体も利用客が多く、地下駅とはいえ、なかなかに立派です。地上に上がっても、国道にはひっきりなしに車が行き交い、銀行やスーパー、ニトリなどが立ち並んでいます。雰囲気としては、東京都大田区や神戸市東灘区の国道沿いと似ているという気もしました。 そして、この国道36号線、月寒中央通りから西に延びるのが例の「アンパン道路」。なんでも、明治時代後期、銀座であんぱんが発明された話を聞き、製法も知らず実物を見たこともないままにあんぱんを作ってしまった人物がいたとのこと。そして、この月餅のようなあんぱんが、道路建設の際、作業に従事した陸軍の兵士に毎日5個づつ配られたそうです。そのため、その道路が「アンパン道路」と名付けられました。奇をてらって付けたのではない、かなり由緒正しい名称だったのです。 そう、このまちはもともと陸軍の町。月寒にあった陸軍北部司令部は北海道のみならず、東北や樺太、千島もその管轄だったそうです。そして、月寒の町には、営門の松やつきさっぷ郷土資料館など、当時の記憶を証言するものがまだいくつも残っています。そもそも月寒を「つきさむ」と読ませたのも陸軍の指示だそう。もともとは「つきさっぷ」だったのを北海道外の兵士には読みづらいという理由で「つきさむ」に変えさせたそうです。いまでは、ほとんどが「つきさむ」ですが、前述の資料館や「つきさっぷジンギスカンクラブ」など、多少は名残も見ることができます。 戦争が終わり、司令部はアメリカに接収され、「キャンプ・シーデンバーグ」となったそうです。そして、司令部の門柱はもともと陸軍墓地であった現在の「平和公園」に移されます。この平和公園には戦没した兵士を祀った「忠魂納骨塔(月寒忠霊塔)」や軍馬忠魂碑なども安置されています。行った際は雪に埋もれていましたが、春には、戦後復員した兵士が持ち帰った千島桜や満州桜が咲くそうです。 札幌オリンピックでは会場に選ばれるなど、都心からも近い便利な住宅地として発展している月寒中央駅と月寒の町。一見明るい、普通の住宅街に見えるこの街にも、さまざまな物語がありました。 |
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| 札幌の地下鉄は鉄製車輪ではなくゴムタイヤ。しかし、新交通よりは格段に速い。 | 次の福住駅が終点。190万都市の割には遠くまで地下鉄が通っていない印象。 | 利用客も多くコンコースも立派。駅員が常駐し、ATMやコインロッカーも完備。 |
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| 市街化後に作った駅で、1番出口(↑右上の写真)以外はビルの中にある。 | 地下鉄各駅にあるサークル等の展示スペース。活性化手法としてよいのでは。 | 実態としてメインの出入口と思われる3番出口。上はスーパーになっている。 |
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| 1972年の札幌オリンピックではアイスホッケー会場だった月寒体育館。 | 2月上旬の気温としては、かなり暖かい方では。駅周辺には金融機関も多い。 | 映画監督の山田洋次氏が「庶民の街の情景がここにある」と絶賛したらしい。 |
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| 1番出口の真正面が「アンパン道路入口」。歩道がなく、冬は若干歩きにくい。 | 建築家・倉本龍彦氏設計の住宅。息子が「たく」なので「たくんち」。今は喫茶店。 | アンパン道路の看板。全長は2.6キロ程度だが、意外とアップダウンがある。 |
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| 半分雪に埋もれていたため、掘り出してみた。道行く人の視線がちょっと痛かった。 | 月寒あんぱんの伝統を守るのは、今はこの「ほんま」のみ。創業100年の老舗。 | 普通味、黒糖味、かぼちゃ餡がある。昔より小ぶりらしいが、結構お腹にたまる。 |
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| 兵営正門に植えられた「営門の松」。ここから、多くの兵士たちが出征していった。 | 旧陸軍北部軍司令官官邸。現在は「つきさっぷ郷土資料館」だが、冬季休業中。 | 平和公園内にある月寒忠霊塔。もと陸軍墓地。雪に埋もれひっそりと佇んでいた。 |
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・中央駅で食べる:麺屋彩未の味噌ラーメン 月寒中央駅の一つ北にある美園駅から、歩いて数分のところにある札幌ラーメンのお店です。 実は、このお店、北海道に行くまでは全く知りませんでした。旭川行きのAIRDOの機内誌に、「美味しいと思われるラーメン」のアンケート結果があり、その第1位がこの「麺屋彩未」だったのです。 11時開店とのことで10時45分頃行ったのですが、店の前には4、5人並んでいるだけでした。「たいしたこと無いじゃん」と思ったところ、これは店に入れない人の数だけで、既に店の中で20人ほどが待っていました。かなりの人気店のようです。 味ですが、特に奇をてらったこともない、普通の札幌ラーメンです。一口食べたらやめられないという感じもありません。だけど、気が付いたらどんどん箸が進んでしまっていて、あっという間に全て食べ尽くしてしまっていた、そんな味です。これはある意味、すごい技なのかもしれません。しょうがはアクセントなものの、それほど自己主張は強くありません。さりげなく、非常にうまい。そんな感想が一番ふさわしい気がします。 うれしかったのが、有名店であるにもかかわらず、店の人は親切かつテキパキしていて、笑顔だったこと。特に関東にはこの点、勘違いしてしまった有名店が多いのですが、ここは決してそんなことがありませんでした。地下鉄の駅の地図にも表示があり、公共交通利用者にも親切です。これからも奇をてらうことなく、誠実に末永く続けてほしい店だなあと思いました。 |
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| 行列ができてはいるが、お店の人のさばきもよく、回転スピードはかなり速い。 | しょうがが載っている以外は、実にシンプルなみそラーメン。しかし、味は奥深い。 | 食材の伝票が貼られていた。意外と北海道以外の食材も使われている。 |
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・中央駅の先へ:羊ヶ丘展望台 羊ヶ丘展望台といえば、その名前は知らなくても、クラーク像とその前に広がる牧草地&羊の光景は、日本人であれば一度は写真で見たことのあるかと思います。大抵は観光バスで訪れることになるかと思いますが、公共交通機関を使った場合は、月寒中央駅の1駅南にある福住駅から展望台行きのバスに乗っていきます。 確かに風景も超一級品なのですが、この展望台はそれ以外の施設もなかなか楽しいです。 まずは、「さっぽろ雪まつり資料館」。もともと雪捨て場にあった雪を地元の高校生が加工したことがきっかけで始まった雪まつり。その後、国内旅行ブームや札幌オリンピックなど、様々な世相に影響されて巨大化していきます。受験戦争の激化で高校生が参加できなくなったり、阪神・淡路大震災の発生で開催自粛すべきかどうか議論されたりといったこともあったそうです。最近は、台湾や韓国など、海外からの観光客も増加し、まさしく「純白の夢よぶ世界のひろば」が実現しています。 他にも、北海道各地の温泉を月替わりで持ってくる「足湯」や、札幌オリンピックで使われた建物を移築した「オーストリア館」など、なかなかユニークな施設があります。 というのも、ここを運営しているのが、民間主体の札幌観光協会だからでしょう。本来、この土地は国の研究所であり、一時は研究に支障が出ると入場禁止も検討されたそうですが、観光協会が管理運営することで決着したそうです。展望台だけではなく、他にも様々な施設を作って入場料を上げ、来場者も増やす。公的施設ではなかなか考えないことでしょう。 この日も、地元と思われる人々が「歩くスキー」を楽しんでいました。用具はオーストリア館で貸してくれるようです。優良観光地の鉄則といわれる地元のリピーター客を増やすことにも成功している、羊ヶ丘展望台はたかが展望台されど展望台なのです。 |
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| 札幌観光の超定番スポット。大自然の中かと思いきや、意外と都心から近い。 | 雪まつりの奥深さと人々の思いが伝わってくる「さっぽろ雪まつり資料館」。 | 大雪像の模型はそれ自体が芸術品。これを見つつ、実際の雪像を作るらしい。 |
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| 展望台の横には足湯スペースも。月替わりで道内各地の温泉が運ばれる。 | 足湯スペースの横にはタオルの自動販売機も。他の商品もちょっと変である。 | 展望台の向こうが歩くスキーのコースになっており、地元の人々が楽しんでいた。 |
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